イチからわかる、ワールドゲームズQ&A
ワールドゲームズについて、よく聞かれる質問をQ&A形式でまとめました。
入門編
- Q1
- 「ワールドゲームズ」って?
- A
- 世界のトップアスリートによる総合競技大会です
ワールドゲームズは世界最高水準のアスリートが競い合う国際スポーツ競技大会です。国際ワールドゲームズ協会(IWGA)が主催し、国際オリンピック委員会(IOC)の後援により、4年に一度、夏季オリンピック・パラリンピック競技大会の翌年に開催されます。選手は、オリンピックでは各国代表として参加しますが、ワールドゲームズでは各競技の国際スポーツ連盟(IF)によって選ばれた代表として参加します。表彰式では、金・銀・銅のメダル授与と国旗掲揚が行われますが、国威の発揚と勝利偏重主義は抑えられています。
実施される競技はIWGAの加盟団体競技(現40競技)から選定された競技を中心に、日頃なじみの深いスポーツや目新しいスポーツが実施されます。第11回大会(2022年)までは、IWGAの加盟団体競技から選定される「公式競技」と、開催都市の国や地域で盛んなスポーツや伝統スポーツなどから選定される「公開競技」という区分で実施されていましたが、第12回大会(2025年)からは新たな基準(以下*)に沿って実施競技が選定されています。パラスポーツも第11回大会(2022年)から実施され、第12回大会(2025年)ではさらに増加しています。
(*)・IWGA加盟団体競技から選定された競技 ・開催都市との協議により決定された競技 ・IOCとの協議により決定された競技 ・IPC(国際パラリンピック委員会)との協議で決定されたパラリンピック競技大会のプログラムに含まれていないパラスポーツ競技 など
- Q2
- 競技種目はいくつあるの?
- A
- 40競技です(2024年9月現在)
現在、ワールドゲームズは40競技あります。ワールドゲームズ競技に採用されるためには国際スポーツ連盟(IF)が国際ワールドゲームズ協会(IWGA)に加盟しなければならなく、加盟の採否はIWGA総会で決定されます。直近では2024年5月のIWGA総会で国際アメリカンフットボール連盟(IFAF)と国際チア連合(ICU)の2団体が加盟承認され、アメリカンフットボールとチアリーディングの2競技が新たにワールドゲームズ競技となりました。
- Q3
- 代表選手はどうやって選ばれるの?
- A
- 国際スポーツ連盟が各国競技団体に参加要請します
ワールドゲームズの場合、各国の代表によって競技が行われるわけではありません。世界最高レベルの選手という基準で、各競技の国際スポーツ連盟(IF : International Federation)が参加選手を検討し、各国の競技団体(NF:National Federation)に選手の派遣を要請することによって、代表選手が決定します。なお、選手や監督・コーチの大会期間中の宿泊施設は国別ではなく競技別に用意されていましたが、第9回大会(2013年)からは大学の寮などを活用し、各競技の選手・関係者が一堂に寝食を共にする傾向となっています。
- Q4
- 次の大会はいつ開催されるの?
- A
- 2025年8月、中国(成都)で開催されます
ワールドゲームズは4年に一度、夏季オリンピック・パラリンピック競技大会の翌年に開催されます。第12回目となる次回のワールドゲームズは、2024年パリ五輪の翌年、2025年8月7日から17日まで、中華人民共和国の成都(Chengdu)で開催されます。成都は中国南西部に位置する人口2,000万人の四川省の省都で、ジャイアントパンダの研究施設があることでも知られています。
- Q5
- 次の大会は何競技実施するの? 参加選手はいつ頃決まるの?
- A
- 2025年の第12回大会は35競技が実施されます。
日本の参加選手は2024年秋頃から順次決定される予定です。
国際ワールドゲームズ協会(IWGA)の加盟団体競技(40競技)から実施される競技
- エアースポーツ
- アメリカンフットボール
- アーチェリー
- ビリヤード
- ブールスポーツ
- カヌー
- チアリーディング
- ダンススポーツ
- フィストボール
- フロアボール
- フライングディスク
- 体操
- ハンドボール
- 柔術
- 空手
- キックボクシング
- コーフボール
- ラクロス
- ライフセービング
- ムエタイ
- オリエンテーリング
- パワーリフティング
- ラケットボール
- ローラースポーツ
- サンボ
- ソフトボール
- スポーツクライミング
- スカッシュ
- 綱引
- 水中スポーツ
- 水上スキー・ウエイクボード
- 武術
IWGAとIOC(国際オリンピック委員会)、IPC(国際パラリンピック員会)及び開催都市が協議し実施される競技(第12回大会は以下の競技)
- パワーボート(モトサーフ)
- ラグビー(車いすラグビー)
- トライアスロン(デュアスロン)
日本の参加選手の決定時期は各競技で異なりますが、例年、大会前年の秋頃から翌年の春先にかけて順次決定されます。
- Q6
- 2022年大会の参加国や選手数、日本選手の活躍はどうだった?
- A
- 99の国・地域から過去最多3,457人の選手が参加し、日本選手も活躍しました
2022年にアメリカ合衆国・バーミングハム市で開催された第11回大会は99の国・地域から3,457名の世界最高峰のトップアスリートが参加しました。日本からはアジア最多となる137名が21競技(公式競技17、公開競技4)に挑み、コロナ禍で思うような練習や調整ができない中、過去最高の33個のメダル(金10・銀11・銅12)を獲得するなど大変目覚ましい成果を挙げられました。(メダル獲得数は世界第6位)
詳しくは大会報告書をご覧ください。
もっと知りたい編
- Q7
- どんな競技がワールドゲームズの競技種目に選ばれるの?
- A
- オリンピックに採用されていない競技や種目
ワールドゲームズで採用される競技は、オリンピック競技でないこと、世界的に普及しており世界選手権大会が定期的に行われていること、開催地の既存施設で実施可能な競技であること、などの条件を満たしたものの中から決定します。また、競技の国際連盟(IF)が国際ワールドゲームズ協会(IWGA)に加盟していなければなりませんが、IFは夏季オリンピック国際競技連盟連合(ASOIF)、冬季オリンピック国際競技連盟連合(AIOWF)、 IOC承認国際競技連盟(ARISF) のいずれかに加盟していることが必要となります。
- Q8
- オリンピックに採用された競技はあるの?
- A
- 過去16競技がオリンピックに採用されました。
バドミントン、野球、ソフトボール、テコンドー、ビーチバレーボール、女子ウエイトリフティング、トライアスロン、ラグビー(7人制)、ローラースポーツ(スケートボード)、スポーツクライミング、サーフィン、空手、ダンススポーツ(ブレイキン)、フラッグフットボール、ラクロス、スカッシュ
ソフトボール、空手、ローラースポーツ(スケートボード)、スポーツクライミング、サーフィン
ダンススポーツ(ブレイクダンス)
ソフトボール、ラクロス、スカッシュ、フラッグフットボール
ワールドゲームズとオリンピック、それぞれで採用される競技の選考基準は異なりますが、これまでにワールドゲームズ競技からオリンピック競技に採用されたケース、オリンピック競技からワールドゲームズ競技に採用されたケースの両方が存在します。例えば、綱引はかつてはオリンピックの正式競技でした。また、アーチェリーや新体操、トランポリンなど、種目によってはオリンピックとワールドゲームズの両方に採用されている競技もあります。このようにワールドゲームズはオリンピックと密接に関係しています。
- バドミントン
- WG第1回大会では公式競技。1992年バルセロナ五輪から夏季オリンピックの正式競技
- 野球
- WG第1回大会では公式競技。1992年バルセロナ五輪から2008年北京五輪まで夏季オリンピックの正式競技
- ソフトボール
- WG第1~2回大会では公式競技。1996年アトランタ五輪から2008年北京五輪まで夏季オリンピックの正式競技(女子)
- テコンドー
- WG第1~4回大会では公式競技。2000年シドニー五輪から夏季オリンピック正式競技
- ビーチバレーボール
- WG第5回大会では公式競技。1996年アトランタ五輪から夏季オリンピック正式競技
- 女子ウエイトリフティング(重量挙げ)
- WG第5回大会では公式競技。2000年シドニー五輪から夏季オリンピック正式競技
- トライアスロン
- WG第4回大会では公式競技。2000年シドニー五輪から夏季オリンピックの正式競技
- 7人制ラグビー
- WG第6回大会以降、公式競技。2016年リオデジャネイロ五輪から夏季オリンピック正式競技
- Q9
- 開催都市はどうやって決めるの?
- A
- 競技施設が充実していることが決め手です
ワールドゲームズ開催都市に選ばれるためには、競技を行うための施設がいかに充実しているかが重要です。原則として「既存の施設を利用して競技を行える」または「大会の開催が決定した時点で施設建設を計画中で、大会開催までに完成する施設を利用して競技を行える」ことが条件となります。そのため、ワールドゲームズのすべての正式競技を実施できなくても、開催都市に立候補することは可能です。
競技施設の状況以外にも、経済状況や治安、交通事情、宿泊収容規模など総合的な観点から判断されます。
- Q10
- 日本で開催されたことはあるの?
- A
- 2001年の第6回大会は秋田県で開催されました
2001年に行われた第6回大会は、アジア地域としては初となる秋田県で開催されました。2001年8月16日から26日までの11日間にわたって行われ、93の国・地域から合計2,193名の選手が参加しました。
県内8市町村・21会場の史上初の広域開催でしたが、22の公式競技と5の公開競技を実施し、観客数は30万人を記録しました。一般市民を対象に競技種目の体験コーナーなども設けられ、2001年夏の秋田県はワールドゲームズ一色となりました。その後、大会経費の残余金2億円を基に「あきたワールドゲームズ基金」が設立され、秋田県内におけるスポーツ振興や人材育成など、さまざまな公益事業に役立てられました。
- Q11
- ワールドゲームズの開催実績は?
- A
- 過去11回、世界11都市で開催されました
1981年にアメリカのサンタクララで開催された第1回大会以来、20年以上の歴史を持つワールドゲームズ。これまでの歴史をまとめると、次のようになります。
第1回 1981年 サンタクララ(アメリカ) |
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第2回 1985年 ロンドン(イギリス) |
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第3回 1989年 カールスルーエ(旧西ドイツ) |
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第4回 1993年 ハーグ(オランダ) |
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第5回 1997年 ラハティ(フィンランド) |
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第6回 2001年 秋田(日本) |
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第7回 2005年 デュイスブルク(ドイツ) |
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第8回 2009年 高雄(チャイニーズタイペイ) |
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第9回 2013年 カリ(コロンビア) |
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第10回 2017年 ヴロツワフ(ポーランド) |
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第11回 2022年 バーミングハム(アメリカ) |
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- Q12
- 国際オリンピック委員会(IOC)との関係は?
- A
- ワールドゲームズはIOCの後援を受けて開催されます
ワールドゲームズを主催する国際ワールドゲームズ協会(IWGA)は、国際オリンピック委員会(IOC)と協力関係にあり、ワールドゲームズは第3回大会(1989年)からIOCによる後援を受けています。2000年10月にはIWGAとIOCの間で「相互協力に関する覚書」が調印され、これによりIOCはIWGAに対し「ドーピングテストの費用を負担する」「知識・技術面での支援・援助を提供する」「各国オリンピック委員会にワールドゲームズの参加者を支援するよう要請する」などの支援を行うことになりました。
また、2014年のIOC臨時総会で承認された「オリンピック・アジェンダ2020」の中で「IOCとIWGAはスポーツプログラムの構成及びそれぞれの評価に関して緊密に協力する。」と提言されており、協力関係はますます強化される方向にあります。
- Q13
- 日本ワールドゲームズ協会(JWGA)ってどんな組織なの?
- A
- さまざまなスポーツを普及・紹介するNPO法人です
日本ワールドゲームズ協会(JWGA)は、ワールドゲームズ関係競技の種目団体によって組織された日本ワールドゲームズ委員会を改組し、1985年に発足しました。
設立当初より国際ワールドゲームズ協会(IWGA)の事業に参画、2001年には第6回ワールドゲームズの日本誘致に成功し、秋田県にて大会を開催しました。NPO法人として認証を受けた日本ワールドゲームズ協会は、ワールドゲームズ運動の推進を中心に多種多様なスポーツの普及、スポーツ人口の増加などを図るとともに、スポーツを通じた健康増進と世界平和に寄与するべく活動を続けています。