中国現地時間8月7日午後8時(日本時間8月7日午後9時)、秦皇湖と都市のスカイラインを背景にワールドゲームズ2025成都大会(第12回大会)の開会式が盛大に開催され、114カ国の選手、関係者が参加しました。
約1万人の観客が、アジア最大級の木造構造物である430メートルに及ぶ「天府の屋根」の下に集まり、伝統的な釘を使わない木組みの接合技術、調和を象徴する古代中国の建築技術で建設されたその屋根には、大会のロゴとパフォーマンスを映し出すLEDスクリーンが照らされていました。
夜空は壮観な花火で何度も照らされ、「世界」を象徴し、世界中から訪れたゲストを歓迎する意味も込められた「W」の文字も浮かび上がりました。
今大会は、WG史上初めてのトーチリレーが開催され、聖火の最終点火では、水上スキーの選手たちが秦皇湖の中央に設けられた聖火台に炎が掲げました。
各国代表選手団の入場行進では、日本がコールされるとひと際大きな歓声が上がりました。
成都大会組織委員会高志丹会長や国際ワールドゲームズ協会(IWGA)のホセ・ペルレナ・ロペス会長の挨拶もあり、国際オリンピック委員会(IOC)のキルスティ・コベントリー会長からはビデオメッセージで、選手・関係者・ファンにエールが送られました。
「無限のスポーツ、数えきれない奇跡」をテーマにした90分間の開会式では、成都の豊かな伝統と現代的で包摂的かつ活気ある精神が強調され、「一つの世界、一つの家族」という力強いメッセージが伝えられました。
【動画】開会式
日本代表ウエアを身に纏い、ひと際大きな歓声に包まれる日本選手団
※JWGAスタッフ撮影
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8月7日に行われたオープニングラウンド・グループA第1戦(対ベネズエラ戦)では、「第18回男子ワールドカップ ファイナル」で初優勝を飾った「世界チャンピオン」を撃破。10ー3で6回コールド勝ち。
第2戦は、前日(8/6)に急遽順延となったチェコと対戦。悪天候で大幅に試合開始が遅れてスタートし、8ー2とリードしたまま5回を終了。試合会場にナイター設備がないため、「日没コールド」となり、日本代表がチェコに勝利し、Aグループ首位に。8/8の第3戦(対アルゼンチン)にも活躍が期待されます。
©日本ソフトボール協会
空手では男子個人形の西山走選手が金メダルを獲得、男子組手-60kgの橋本大夢選手、男子組手-67kgの小崎友碁選手、女子個人形の尾野真歩選手が銀メダルを獲得するなど、日本の強さをワールドゲームズの舞台でも顕示しました。
西山走選手
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西山走選手
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小崎友碁選手
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昨日4つのメダルを獲得した空手では、男子組手-75kgの崎山優成選手、女子組手-61kgの嶋田さらら選手が銀メダル、男子組手-84kgの嶋田力斗選手、女子組手-68kgの釜つばさ選手が銅メダルを獲得し、昨日と合わせて空手競技で8個のメダル獲得となり、前回大会(2022年)の3個から大きく躍進しました。昨年のワールドカップなどの国際大会で多くのメダルを獲得した武術では、荒谷友碩選手が銀メダル、貴田菜ノ花選手が銅メダルを獲得しました。2028年ロサンゼルスオリンピック追加競技のラクロス(6人制)ではイギリスに15対10で勝利し、ベスト4進出を決めました。世界ランキングでアルゼンチン、オーストラリアに次ぐ3位に位置している男子ソフトボールは準決勝でカナダと対戦し、均衡した試合展開の中、5回に一挙4点挙げ、6対1で見事勝利し、明日のアメリカとの決勝戦に駒を進めました。スカッシュでは、女子シングルス世界ランキング7位の渡邉聡美選手がハンガリーの選手を3-1で下し、ベスト8に進出しました。ウエイクボードでは男子フリースタイルで2017年のワールドゲームズで優勝した手塚翔太選手が準決勝を制し、明日の決勝に進出、2大会ぶりの金メダル獲得を目指します。
武術:荒谷選手
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武術:荒谷選手
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嶋田さらら選手
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男子ソフトボールはアメリカとの決勝が予定されていましたが悪天候のため中止となり、日本とアメリカが同時優勝となりました。トランポリンのシンクロ女子は女子決勝が行われワールドゲームズ初出場の森ひかる・田中沙季ペアが銀メダルを獲得しました。ウエイクボードの男子フリースタイルの決勝では手塚翔太選手が銀メダルを獲得、2017年のワールドゲームズでの金メダル以来2大会ぶりのメダル獲得となりました。スカッシュは女子シングルス世界ランキング7位の渡邉聡美選手がエジプトの選手を3-0で下しベスト4に進出しました。ラクロス(6人制)は準決勝でアメリカに敗れ、明日の3位決定戦でオーストラリアと対戦します。ビリヤードはスリークッション女子の宮下綾香選手がトルコの選手と対戦し25-20で勝利しました。
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銅メダルを賭けたラクロス女子の3位決定戦が行われ、今年1月のアジアパシフィック選手権大会で勝利したオーストラリアと対戦、延長戦(サドンビクトリー)までもつれ込み、激闘の末、12対13の惜敗となりました。スカッシュは女子シングルスの準決勝が行われ、世界ランキング6位の渡邉聡美選手がスペインの選手を相手にスピード・技術ともに危なげないプレーで終始圧倒し、3-0のストレート勝ち、決勝戦に進出しました。
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スカッシュ女子シングルスの決勝では、渡邉聡美選手がフランスの選手を相手に3-0のストレートで下し、見事、金メダルを獲得しました。渡邉選手は今大会5試合に出場し、ゲームを落としたのは2戦目の1ゲームのみ、決勝戦を含む4試合はすべて3-0のストレート勝利、スピード・技術・試合運びなど、すべての面で他の選手を圧倒していました。表彰後のインタビューでは、「序盤から苦しい試合もありましたが優勝という形で終われ、嬉しい反面ほっとしている気持ちが強いです。シーズン始まりの試合でしたので、これを機に良いシーズンにしていきたいと思います。2028年のパリオリンピックでもこの色のメダルがかけられるように頑張りたいと思います。」とコメントされていました。
体操のパルクール男子フリースタイルでは、2024年の世界選手権準優勝の塩幡睦大選手が登場。予選を1位通過、決勝ラウンドでは予選のポイントを上回り2位とは1.7ポイント差をつけ、見事、金メダルを獲得しました。
ビリヤードは、スリークッション女子の宮下綾香選手が準決勝でペルーの選手と対戦、25-17で試合を制し、明日の決勝戦で金メダルを目指します。
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机選手、杉本選手、渡邉選手、海道監督のチーム日本
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ビリヤードではスリークッション女子の決勝戦が行われ宮下綾香選手がオランダの強豪選手と対戦し、25-12の惜敗でしたが堂々の銀メダル獲得となりました。ビリヤードはワールドゲームズ3大会連続のメダル獲得となります。体操ではパルクール女子フリースタイルに日本選手権5連覇中の絶対的エース永井音寧選手が出場し、見事、銀メダルを獲得しました。昨日の塩幡睦大選手の金メダルに続き、パルクールで今大会2個目のメダル獲得となります。ソフトボール女子は初戦でオーストラリアと対戦し、10-3で勝利、好スタートを切りました。フライングディスクのアルティメットは予選ラウンド2回戦で中国と対戦し、13-8で勝利しました。ラケットボールの男子シングルでは河野通宗選手がインドの選手を3-0のストレートで下し、ベスト8に進出しました。
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高田真里在重慶日本国総領事も、激励に訪れました。
(前列右から4人目)
パワーリフティングでは、男子軽量級(クラシック部門)に66kg級世界記録保持者の牛山恭太選手が登場し、スクワット247.5㎏、ベンチプレス180kg、デッドリフト290kgを持ち上げ、ワールドゲームズ初出場で見事、銀メダルを獲得しました。
ドローンレーシングでは、高校生ながら2024年世界選手権を制した橋本勇希選手が予選5レースを2位で通過しました。日本国内最速女子高生レーサーの佐藤姫夏選手も予選を通過し、ラウンド32に進出しました。
フラッグフットボールでは、世界選手権3位の日本が前回大会優勝のメキシコと初戦で対戦。前回大会では準決勝で涙を飲んだ相手に挑みましたが24-41で敗戦し、悔しい結果となりました。
フライングディスクのアルティメット、ここまで予選ラウンド1勝1敗の日本はドイツと対戦し9-13で敗退。順位決定トーナメントに挑みます。
ラケットボールは、今大会から新たに採用されたミックスダブルスに河野通宗選手・梶野晴美選手が韓国ペアと対戦し、息の合ったプレーで3-0のストレートで勝利しベスト8を決めました。また、同日の夕方に行われた男子シングルスでは、河野通宗選手がメキシコの選手に敗戦しましたが、ガッツ溢れるプレーで会場を沸かしていました。
ソフトボール女子は前日のオーストラリア戦勝利の勢いそのままに世界ランキング3位のプエルトリコを圧倒し、7-0の5回コールド勝ち。予選ラウンドBグループでカナダと並び首位に位置しています。
スポーツクライミングも競技がスタート。今大会では15mの高さを一気に駆け上がるスピード種目が採用されています。日本からは男子5名、女子3名が出場。男子の部では、大政涼選手、藤野柊斗選手、田渕幹規選手が予選を通過しましたが、いずれもベスト8を前に敗退。女子の部ではいずれの選手も惜しくも予選敗退となりました。
RUN(1st)5km、BIKE30 km、RUN(2nd)5kmを競うデュアスロンは男子個人戦が行われ34人が出場し、田中文也選手が13位、石関玲於選手が23位、金田遼祐選手が29位でフィニッシュ。3度目のワールドゲームズ出場となった田中選手は「自分の持っている力を120%出し切りました」と清々しい表情でレースを振り返っていました。
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