現地時間午後7時(日本時間21日午前2時)より、ヴロツワフ・スタジアムで第10回ワールドゲームズ大会の開会式が行われました。
ポーランド最大のスポーツイベントということでチケットも完売、4万人の観衆を集め、盛大に開催されました。大歓声の中、各国のトップアスリートが入場、場内に日本がコールされた時、ひと際大きな歓声が上がりました。大会を主催するIWGA(国際ワールドゲームズ協会)ホセ・ペレルナ会長、開催都市ヴロツワフ市のラファウ・ドゥトキェヴィッチ市長から激励と歓迎の挨拶があり、大会を後援するIOC(国際オリンピック委員会)トーマス・バッハ会長の開会宣言のもと、大会の幕が切って落とされました。
翌21日から10日間、世界102の国・地域から集結したトップアスリートが222の金メダルを競い、世界の頂点を目指します。21日の競技初日は9競技が実施され、日本選手の出場競技は、体操(エアロビック・新体操)、ボウリング、水中スポーツ、フライングディスク、ライフセービング、スポーツクライミングの6競技です。競技の模様は、動画サイト「The World Games Channel」でも配信される予定です。
4万人の大観衆 ©IWGA
ヴロツワフ・スタジアム ©IWGA
入場行進 ©IWGA
日本選手の入場行進 ひと際大きな歓声 ©IWGA
左からIWGA会長、IOC会長、ヴロツワフ市長 ©IWGA
IOC会長による開会宣言 ©IWGA
男子ボルダリングで緒方良行選手が金メダルを獲得!今大会日本選手メダル第1号となりました。続いて、女子ボルダリングでは野中生萌選手が銀メダルを獲得。2020年の東京オリンピックの追加競技となり注目を浴びる中、見事メダルを獲得しました。
野中生萌選手・緒方良行選手 ©JWGA
緒方良行選手(写真提供:日本山岳・スポーツクライミング協会)
野中生萌選手(写真提供:日本山岳・スポーツクライミング協会)
男子4×50m障害物リレーで日本チーム(平野修也選手、幡野圭祐選手、西山俊選手、安藤秀選手)が金メダルを獲得!2015年にニュージーランドチームが記録した1分37秒06を塗り替える1分36秒62をマークし、見事、世界新記録を樹立しました。
©IWGA
安藤秀選手・幡野圭祐選手・西山俊選手・平野修也選手 ©JLA
初の36秒台で世界新記録樹立! ©JWGA
金井拓海選手、北爪凛々選手、斉藤瑞己選手がトリオで金メダルを獲得しました。総合22.636得点で2位中国、3位フランスを引き離し、見事優勝しました。
左から金井拓海選手・杉原コーチ・北爪凛々選手・斉藤瑞己選手 ©日本エアロビック連盟
ワールドゲームズ3回目の出場となる太田麻乃選手は女子中量級で銀メダルを獲得。2009年の第8回大会(チャイニーズタイペイ:銅)、2013年の第9回大会(コロンビア:銅)に続き3大会連続でのメダル獲得です。兄弟で出場している黒川宗一郎・宏次朗の両選手は、男子重量級の3位決定戦で対戦し、兄の黒川宗一郎選手が制し、銅メダルを獲得しました。
太田麻乃選手
黒川宗一郎選手
男子リードで是永敬一郎選手が金メダル、波田悠貴選手が銀メダルを獲得し、日本勢が1・2フィニッシュ、表彰台を独占しました。競技初日のボルダリング緒方良行選手の金、野中生萌選手の銀に続き、スポーツクライミング競技では4個のメダルを獲得、日本の競技レベルの高さをワールドゲームズでも証明しています。
波田悠貴選手・是永敬一郎選手 ©IWGA
波田悠貴選手(写真提供:日本山岳・スポーツクライミング協会)
是永敬一郎選手(写真提供:日本山岳・スポーツクライミング協会)
日本チームの皆さん(写真提供:日本山岳・スポーツクライミング協会)
男子無差別級の3位決定戦で、前日重量級で銅メダルを獲得した黒川宗一郎選手と三輪隼斗選手の日本選手同士が対戦し、押し出しで三輪選手が勝利、銅メダルを獲得しました。競技初日の女子中量級太田選手の銀、重量級黒川宗一郎選手の銅に続き、相撲競技では3個のメダルを獲得となりました。日本の国技である相撲の迫力に観衆も大いに魅了された2日間となりました。
三輪隼斗選手 ©日本相撲連盟
ワールドゲームズ(WG)4回目の出場となる福島友佳子選手は女子ライトウエイトで銀メダルを獲得。2001年、秋田県で開催された第6回大会でWG初出場、銅メダルを獲得。2005年は4位に終わりましたが、2009年第8回大会(チャイニーズタイペイ)では銀、2013年第9回大会(コロンビア)では銅、そして今大会では銀と、3大会連続でのメダル獲得、WG通算4個目のメダル獲得となりました。
©IWGA
©IWGA
©IWGA
男子シンクロナイズドで中園貴登・石川和ペアが銅メダルを獲得、同種目では2009年の第8回大会(チャイニーズタイペイ)以来、2大会ぶりのメダル獲得となりました。
中園貴登選手・石川和選手 ©IWGA
©IWGA
空手競技初日、男子形の喜友名諒選手が金メダルを獲得しました。WG2大会連続の出場で前回の2013年第9回大会(コロンビア)では銅メダル、今大会で世界の頂点に立ちました。女子形ではWG初出場の清水希容選手が見事、金メダルを獲得しました。女子組手-50kgに出場した同じくWG初出場の宮原美穂選手は、決勝戦でフランス選手に4-6で敗れ、惜しくも銀メダルでした。今大会、メダル4個を獲得したスポーツクライミング同様、2020年東京オリンピックの追加競技であり注目を浴びる中、競技初日から各選手活躍しており、翌日の競技2日目もメダル獲得に期待が寄せられます。
喜友名諒選手 ©IWGA
清水希容選手 ©IWGA
宮原美穂選手 ©IWGA
©JWGA
アーチェリー(フィールド)の男子リカーブ部門で大貫渉選手がWG初出場ながら次々と世界の強豪を破り、見事、銅メダルを獲得しました。セミファイナルではアメリカ選手と対戦、55-65と惜しくも敗戦となりましたが、続く3位決定戦(ブロンズマッチ)では本来の調子が戻り、クロアチア選手を63-60で下し、堂々の3位、銅メダル獲得となりました。
©IWGA
©全日本アーチェリー連盟
©IWGA
空手競技2日目、女子組手+68kgで植草歩選手が金メダルを獲得。決勝でイラン選手を判定で下し、2013年第9回大会(コロンビア)に続き、金メダル2連覇を達成しました。男子組手+84kgではWG初出場の香川幸允選手が決勝でイラン選手と対戦、6-5で勝利し、見事、金メダルを獲得しました。男子組手-84kgに出場した前大会金メダリストの荒賀龍太郎選手は決勝でイラン選手と対戦し、1-2で惜しくも敗れました。同様に前大会の金メダリストの染谷香予選手は女子組手-68kgに出場、準決勝でアルジェリア選手に敗れましたが3位決定戦でデンマーク選手を3-0で完勝し、銅メダルを獲得しました。空手の日本勢、今大会は金4・銀2・銅1の7個のメダルを獲得、前大会(金3・銅1)を凌ぐ活躍となりました。
植草歩選手 ©IWGA
香川幸允選手 ©IWGA
荒賀龍太郎選手 ©IWGA
染谷香予選手 ©JWGA
現在、ハンガリー・ブダペストで開催されている世界水泳の訪問の合間に、ワールドゲームズ日本選手の応援にかけつけていただいています。7月25日から4日間の予定で各競技を視察されています。日本選手の応援とともに、ここヴロツワフに集まる多くの国際スポーツ関係者の方々と情報交換を行われています。日本選手は鈴木長官のエールをパワーに替え、連日、メダルを量産しています。鈴木長官、ありがとうございます!
空手の方々と ©JWGA
水上スキー・ウエイクボードの方々と ©JWGA
ラクロスの方々と ©JWGA
ウエイクボードの男子フリースタイルでWG初出場の手塚翔太選手が金メダルを獲得しました。この種目での金メダル獲得は、2001年に日本の秋田県で開催された第6回大会以来4大会ぶりです。この種目、2013年の前回大会(コロンビア)は銀メダル、今大会では見事、世界の頂点に立ちました。女子フリースタイルでは、16歳の棟安優月選手が5位、今大会日本選手最年少の14歳の河原乙翔選手が9位、WG出場3回目となる水上スキー・女子ジャンプの廣澤彩綾選手は8位でした。
©IWGA
©IWGA
競技7日目の終了時点で、日本のメダル獲得数は20個(金9・銀6・銅5)となりました。ロシア・イタリア・ドイツ・フランスに次いで世界ランキング第5位に位置しています。
1981年の第1回大会以降、日本のメダル獲得数は、2001年の第6回大会(秋田県での自国開催)の25個(金9・銀6・銅10)が最多で、今大会は秋田大会に次ぐ2番目に獲得数が多い大会となっています。前回大会との比較では、(2013年:10個/金5・銀1・銅4)今大会では倍のメダルを獲得しています。[文中のメダル数:公開競技を除く数]
男子プールで大井直幸選手が銅メダルを獲得しました。3位決定戦でチャイニーズタイペイ選手を下し、WG初出場で見事、銅メダルを獲得です。ワールドゲームズでのビリヤードのメダル獲得は日本では初めてとなります。
©IWGA
7月20日から開幕しました第10回ワールドゲームズが30日の競技最終日、7競技の終了とともに閉幕しました。IWGAによると、102の国・地域から3,214名の選手が参加し、観戦チケットは16万枚販売され、Olympic Channel(※)を通じて広く世界にワールドゲームズの模様が放映されたと報じられています。[※日本を含むアジア地域では視聴不可]
今大会、日本からは18競技98名の選手が出場しましたが、結果、金9、銀6、銅7の計22個のメダルを獲得しました。獲得数はロシアの63個が最多で、フランス・ドイツ・イタリア・ウクライナ・ベルギーに次いで世界第7位(アメリカも同数)です。国内での実績を見てみると、前回大会(2013年・コロンビア)の10個(金5・銀1・銅4 ※公式競技のみの数)を大きく上回り、2001年秋田での第6回大会の25個(金9・銀6・銅10)に次いで、10大会中、2番目のメダル獲得数となりました。
【競技別】
10競技(金9・銀6・銅7)
【メダル別】
■金:9個[5競技]
■銀:6個[4競技]
■銅:7個[6競技]
*ワールドゲームズ初メダル競技(4競技)
次回、第11回大会はアメリカのバーミングハムでの開催が予定されています。7月30日の閉会式では、バーミングハム市長にワールドゲームズ旗が手渡され、4年後の大会に向け、バトンが引き継がれました。バーミングハムは人口約20万人のアラバマ州最大の都市ですが、国際スポーツ大会の開催経験はなく、ワールドゲームズ大会が初の取り組みとなります。1981年の第1回大会以来、実に40年ぶりのアメリカ開催となります。
©IWGA